ひび割れた殻にトン、と指先を当てれば、そのまま殻が崩壊していった。
あらゆるところから、殻の外の光が入ってくる。
悪夢から現実へ、引き戻してくれる光。
お母さんの幻影が、温もりを残して消滅した。
待ってて、皆。
今、帰るから。
そして、私は殻の外へ踏み出した。
私を出迎えてくれたのは、白い光の結晶だった。
私を閉じ込めていた殻はチリとなり、殻の源だった悪のエネルギーは光に負けて消え失せる。
「オーロラっ!」
「よかった……」
ゼロさんのムチを掴んでいるグリンと、頭上に上げていた人差し指を下ろして肩で呼吸をするラジは、私が解放されたことに安堵した。
「ラジが、ずぅっと魔法を使ってたんだよー」
グリンはムチを放しながら、私にそう教える。
ラジがこの白い光を出し続けて、悪のエネルギーを照らしていたの?
暗闇に差し込んだ光は、ラジのおかげってこと?
一体、どれほどの時間、魔法を使っていたのだろう。
パッと見てわかるくらい、ラジは疲れている。
グリンも、そんなラジをサポートしてくれていたんだ。
私を助けるために。
「ありがとう」
たった五文字でしか、この気持ちを表現できない。



