オーロラの歌




ゼロさんとグリンにかけられた催眠魔法が私の歌で薄れ始め、二人は胸元を抑えて、辛そうに顔を歪めた。


あとちょっとだ。


さらに歌を紡ぐ私に目障りだと言うように、女王様は私に手のひらを向けて、呪文を唱える。



「“レイス・フール”!」



その途端、女王様の手のひらから数体の霊が出てきて、私を襲おうとした。


もしかして、女王様が今使った魔法によって出された霊は、私にとりつこうとしているの!?


避けなくちゃ。


でも、歌を中断すれば、また二人は洗脳させられてしまう。


今歌に込めている気持ちはゼロさんとグリンへのものだから、霊は払えない。


どうしたらいいの?



「はぁ、はぁ…………お、ろら」


「え?」


「っ、お……ろら」



かすかに、聞こえてきた。


グリンの、私を呼ぶ声が。



悩むな、私。


歌え。


誰かのために。




「♪~~きっとあと爪先分だけ 踏み出したら出会える~~♪」




パリン、という音が脳に直接鳴り渡った。


これは、女王様が作り出した結界が割れ、洗脳が解除されて解放された音。


自由になって、覚醒する音。