グリンの表情からは、何の感情も感じなくて。
催眠魔法の怖さを、改めて知ってしまった。
「ねぇ、グリン……!!」
何度でも、何度でも、名前を呼ぶよ。
君が応えてくれるまで、ずっと。
「グリン、私の声を聞いて!」
「バカねぇ。あたしの下僕に、あんたの声なんか届いてるわけないじゃない」
女王様の呟きが耳に入って、言い返したくなった。
グリンは、あなたに洗脳されて、自分の意思で動けないだけ。
本当のグリンは、あなたの下僕なんかじゃない。
グリンは私の声を無視して、再び戦闘態勢を整えてから、私に尖った爪を振り上げた。
私はその爪から慌てて逃れたが、袖が破れてしまった。
爪に引っ掻かれた袖の部分から肩の部分まで、だんだんと溶けていく。
これって、爪に含まれた毒のせい?
肌に直接爪が当たらなかったことにホッとしつつ、グリンに叫ぶ。
「グリン!私だよ、オーロラだよ!」
「……」
「グリンは、私の仲間でしょ!?」



