僕はロボット状態に戻る前に、セイント城の自室に戻った。
もしかしたら、もう一度いやしの歌を聴いたら、完全に催眠魔法が解除される可能性だってあるかもしれない。
けれど、そうしたら、お母様はどうするのだろう。
今よりもさらに、姉さんへの悪意が増大してしまうのではないのだろうか。
『そんなの、させない』
姉さんは、何も悪くない。
殺されるのはおかしい。
死んでほしくない。
気づいたら、僕の中に希望が生まれていた。
僕には何もできないのかもしれない。
それでも、姉さんのために何かしたかった。
姉さんに生きていてほしかった。
……あぁ、神様。
姉さんの敵である僕に、一度でいいから、姉さんの味方になるチャンスをください。
運命に背く覚悟をください。



