グリンとゼロさんの方に視線を移すと、二人も私を見ていた。
二人の泡沫みたいな瞳に、焦がれる。
『その能力は、誰かを救うために使いなさい』
お母さんの声の残像が、胸を高鳴らせた。
……歌いたい。
歌を奏でたい。
私は輝く光にはなれないけど、歌が光を連れてきてくれる。
もう一度歌おうと、口を大きく開ける。
「もう、歌わないでちょうだい」
が、いつの間にか後ろに回っていた女王様が、私の口を手で覆った。
女王様は、そのまま私の顔を斜めにさせる。
すると、客の歓声で大広間が揺れた。
女王様の殺気が、首筋を伝う。
女王様が手にしているナイフが、私の首を狙っているんだ。
声が出せないから、歌うことができない。
ムチで縛られているから、距離を取ることもできない。
本当に、処刑されてしまうの?



