女王様は、私が付けているネックレスを引きちぎるように、私をグイッと引っ張った。
「バカにも程があるわ」
「え……?」
「あんたの歌じゃ、あたしの濃い闇には一切響かないのよ」
光の入る隙間もないほど、闇に埋め尽くされた女王様の心。
悪霊と契約してしまったからか、何よりも暗く染まっている。
どれほど、恨んでいるの?
どれほど、嫌っているの?
悪意が、殺意が、女王様と一体化している悪霊が、女王様にもあったはずの希望を八つ裂きにしてしまったんだ。
……女王様に、歌は通用しない。
なら、歌を紡ぐ相手を変えるしかない。
すぅ、と吸い込んだ空気が、肺を満たす。
「また歌うの?懲りないわね」
今度は、女王様に贈る歌じゃない。
グリンを、ゼロさんを想って歌うんだ。
「♪~~物語はハッピーエンド 君の笑顔が見たいんだ~~♪」



