私の体をきつく巻いているのは、硬質のムチ……?
ムチを操ったのは、ゼロさんだった。
「ふふ。ゼロのことを教えてあげるわ」
女王様が、無情な顔をしているゼロさんを抱きしめながら、妖艶に口を開いた。
ムチの、体を縛りつける力が強まった。
「空間魔法が得意な魔法使いでもありながら、ムチ使いでもあるの」
ウメおばあちゃんが言っていた。
私のお父さんは、空間魔法が得意だったって。
「あたしの息子、すごいでしょう?」
……やっぱり、そうなんだ。
ゼロさんは、私の腹違いの弟。
私の、敵。
ゼロさんを懐かしく思っていたのは、姉弟だったからなんだ。
「ゼロとグリンには、ふかーく洗脳してあるから、頼ろうとしても無駄よ?」
女王様が吐いた言葉がきっかけで、予想に確信を得ることができた。
エストレア・シティの住人達やメイド達に催眠魔法をかけたのも、禁断の魔法書の最後のページを破ったのも、女王様だったんだ。
ハルシオンという契約をしたら、催眠魔法も使えるようになる。
おそらく、自信たっぷりに『洗脳してある』と言えるのは、それほどハルシオンの強力な催眠魔法を何度もかけたからなのだろう。



