そういえば、グリンは今まで私の歌を聴いて、苦しそうにしていた気がする。
催眠魔法をずっと前からかけられていたとしたら、改めてさっきかけられてしまったとしたら。
グリンが私の手を拒んだのは、自分の意思じゃないかもしれない。
「……そろそろ、ショーを始めましょうか」
女王様の呟きに、ゼロさんが持っていたナイフを女王様に渡した。
あのナイフって、ゼロさんと雨宿りをしていた時に見せてもらった物だ。
大きい刃が特徴の、金色の装飾がされてあるナイフ。
それを使ったショーって、何?
女王様は私にナイフの先端を向け、パーティーの招待客に告げる。
「只今より、極悪人オーロラの処刑を始めます」
わあああ!、と盛り上がる客達とは裏腹に、私は顔を青ざめる。
処刑?それがショーだっていうの?
ここで、殺されてしまうの?
そんなの、嫌だ!
処刑場となるステージは危険だ。
とりあえず、隠れる場所を探さないと。
私はステージから下りようとしたが。
「逃がさない」
動きを止めるように、体に何かが巻きついた。



