オーロラの歌




雨音が、シャットアウトされる。


雨水に滴るゼロさんの黒髪が、艷やかな光沢を出していた。



「ど、して、オーロラさんがこんなところに……?」


「あ、えっと、雨宿りに」



ゼロさんがそんなことを聞いてきたわけじゃないことは、知っている。


けれど、私にはそう答えるしかできなかった。



私はこれ以上雨に打たれないように、樹木の下に避難した。


樹木の葉っぱ達が、屋根になってくれているおかげで、あまり雨が当たらない。



隣にいるゼロさんに、お久しぶりです、と挨拶しようとしたが、ゼロさんの気まずそうな様子に、条件反射で声を押し殺してしまった。



もどかしい沈黙が流れる。


何か話題はないか、と目を泳がせていたら、ゼロさんの手元にある袋が視界に映った。



「あの、それは?」


「あぁ、ついさっき買ってきたナイフです」



私が問いかければ、ゼロさんは袋から中身を取り出した。


この街らしさが感じられる、金色の装飾がされてあるナイフ。


グリンの物よりも、刃が大きい。



「素敵なナイフですね。何に使うんですか?」


「……ちょっとしたショーに使うらしいです」


「へぇ、そうなんですか」



らしい、ってことはゼロさんが使うわけじゃないのかな。


どんなショーなんだろう。


ちょっと気になるかも。