負けちゃダメだからね。
怪我をしたら治してあげる。
だから勝って、一緒に目的地へ行こう。
あと少しで階段を上りきれるところまでやって来た。
だが、警備隊の援軍が駆けつけて、行く道を阻まれる。
反射的に退こうとした足に力を入れて、踏み止まる。
逃げるな、私!
動揺するな、私!!
「ここは僕に任せてー」
グリンは私の手首から手を放して、隠し持っていたナイフを警備隊の足元を狙って投げた。
ナイフは、三人の警備隊のズボンの裾を貫き、地面に刺さった。
「ぬ、抜けない……!」
「くそっ」
「チッ、動けねぇじゃねぇか!」
グリンの正確さと的中率は、すごいとしか言いようがない。
ごくり、と生唾を飲み込む。



