全然状況についていけていない私を放って、グリンが前方へ走り出す。
グリンに引っ張られている私は、ラジとシエルがじっと動かずにいる姿を見て、ようやく警備隊から逃れるための作戦を理解した。
……そうか。
二人が囮となって警備隊を引きつけ、闘って。
その間に、私とグリンが安全な場所を見つけて、身を潜めて。
後で、合流するってことか。
私は警備隊を二人に委ねて、前だけを見据えて足を動かした。
ラジが、階段の端にいる警備隊に右手の人差し指を向ける。
「ホーリー・ラジェーション」
そう呪文を唱えたラジの人差し指から、光のビームが放たれ、数名の警備隊が倒れた。
おかげで、私とグリンが通れる道ができた。
「アルディ・ソード」
シエルが呪文を呟くと、階段の原材料である石でできた剣が作られた。
その剣のせいで、階段の一部が欠けているが。
「さあ、かかってこいよ」
「手加減はせんぞ」
ラジとシエルの頼もしい声に、抱えていた不安がキラキラと輝いて、「信頼」の二文字に変わる。
信じてるよ、二人とも。
絶対にまた会おうね。



