アストラル・グラウンドからクリスタル・タウンに行く方法は、二つある。
交通の便を楽にするために設けられた階段を通るか、もしくはクリスタル・タウンに続く階段のさらに奥にある山を超えるか。
険しい山を登るとなると、遠回りになるだけでなく、最低でも一週間はかかると言われている。
正当なルートとして階段を通る方が時間短縮になるが、私達の場合、警備網を避けつつ行くには、かなりのリスクになる。
だけど、今更山を登ることを決断しても、結局警備隊に見つからずに山の方へ向かう必要がある。
……やっぱり、階段を通った方がいい、よね。
近道をして行けば、体力的にも助かる。
「今日は諦めて、明日クリスタル・タウンに行こう」
私の提案に、皆は賛成してくれた。
私達は一旦階段のそばの細道から去り、近くの路地裏に入った。
そこには宿らしい建物はなかった。
仕方なく、廃墟となったビルの地下室で寝泊りすることにした。
夕飯はもちろんラジ担当。
相変わらず美味しい料理を完食して、グリンからクリスタル・タウンの大雑把な地理を教わっていたら、あっという間に夜が更けていった。
ラジが魔法で出してくれた灯りを消して、一列に並んで横になる。
皆で雑魚寝するの、久し振りだなぁ。
エストレア・シティを出た草原以来(あの時はシエルいなかったけど)だっけ。
毛布をかけているからか、皆がそばにいるからかわからないけれど、なんだかとても温かい。
次第にうとうとしてきて、私は睡魔に身を任せるように目を閉じた。



