最初は、この国の全てが敵なんだと思っていた。
でも、一人また一人と味方ができて、気づいたら私は優しさに包まれていた。
私が困っている時、仲間ではない人も助けてくれる。
この宿の受付の人も、ウメおばあちゃんも、ラジのおじいさんも……。
言葉では言い尽くせない「ありがとう」って気持ちは、どうやったら届けられるのかな。
『あなたを辛い運命に巻き込んで、ごめんね』
ねぇ、お母さん。
お母さんの手紙にはそう綴られてあったけれど、本当に辛いものだったけれど。
辛さばかりではなかったよ。
楽しさも、煌めきも、喜びも、感動も、私のちっぽけな世界に流れ込んできた。
それもこれも全部、ラジとグリンと出会ったあの日があったから。
あの出会いも運命だったなら、残酷なくらい辛くても、それ以上に幸せを分かち合ったから、私の人生もそう悪くはないって思えるんだ。
……お母さん、私が運命を終わらせるまで、見守っていてね。
覚悟は、私の心にある。
大丈夫。
きっと、世界が変わる瞬間に、光を掴めるはずだから。



