路地ばかりを歩きながら、少しずつ前進する。
途中で、またシエルに姿を消してもらって、様子を確認しながら、焦らずに着々と女王様がいるセイント城との距離を縮めていく。
休憩なんてできる場所はなくて。
身を潜めて、隠れて、道を探して。
ゴールへの長い道のりをたどる。
「あの角に、宿があったぞ」
「じゃあ、今晩はそこに泊まるか」
クリスタル・タウンに続く階段まで残り半分を切った時には、既に空は闇色に変わろうとしていた。
シエルの言った通り、とある脇道の角にこじんまりとした宿があった。
観光客の多くが、大通りに面したところにある宿を活用している。
だが、私達が見つけた宿は、観光客で賑わう場所とはやや遠いところにある。
そのせいか、心なしか繁盛していないように見える。
どちらかというと、潰れかけている、というか……。
看板は曲がっているし、ちょっとボロいし。
私がその宿の扉を開けると、カランコロン、と鈴の音が鳴った。
宿の中は見た目に反して、隅々まで綺麗にされ、清潔感を感じられた。
潰れかけているなんて思ってすみません!偏見でした!、って謝りたい気分。



