【シエルside】




五十年程前まで、ジェネシスの森は俺の家も同然だった。


森の番人である俺がジェネシスの森に居るという噂が流れ、その森は神聖な場所として国の民に崇められた。



だが、俺は気分屋だったから、よくいろんな森を転々としていた。



一年前、久し振りに訪れたジェネシスの森には、一人の少女が暮らしていた。


とてもとても、寂しそうに。



その少女こそ、エメラルドグリーンの髪色がよく似合う――オーロラだった。