私もウメおばあちゃんの家に戻ろうかな、と噴水のある場所を去ろうとしたら。
「オーロラ」
「どっ、どうしたの、シエル」
急に、シエルが私の目の前に現れた。
精霊のこういうところって、便利そうだなぁ。
私も、簡単に姿を消したり現したりしてみたい。
「今日も、この前みたいにたくさん歌ったのか?」
「うん!もしかしたらお母さんより多く歌ってるかも、ってくらい歌ったよ」
だから、ちょっと喉が辛い。
心臓も、体も、重く感じる。
「……大丈夫か?」
「へ、平気だよ」
私の乾いた笑顔を、シエルは疑わしそうに睨む。
こ、怖いよ、シエル。
元から無愛想な顔が、さらに無愛想になってるよ!
すると、シエルがスッと手を上げた。
嘘を見破られたとしたら、怒って叩こうとしてるのかも……!
そう予想した私は、反射的に目を瞑った。



