募っていく切なさをごまかそうと、ひとつの星の瞬きを目に焼き付けた。
「そしたらラジが、グリンが、シエルが……皆が、新しいルシフェル王国を築き上げてね」
オーロラが俺達に希望を託すような言い方をしたから、俺はクッと喉を鳴らして笑う。
なに言ってんだよ、オーロラ。
「お前もだろ?俺達全員で、この国を良くしていこうぜ。な、シエル」
「あぁ、ラジの言う通りだ。俺達なら、きっと大丈夫だ」
オーロラだけ楽しようとしても無駄だぞ?
オーロラの無実と隠蔽された過去を国民に明かして、女王様を牢にぶち込んだ後、どうせなら俺達が中心となってこの国を再建していこう。
多分忙しくなるんだろうけど、恐怖に怯え続けるよりはずっとマシ。
そんな期待と幸せで溢れた未来を想像するのは、とても楽しかった。
――オーロラは何も言わず、ただ微笑むだけだった。
もしかしたら、オーロラはこの時には既に、覚悟を決めていたのかもしれない。
この世界の歪みを消し去り、辛い運命から解き放たれるための覚悟を。
俺は、オーロラが覚悟を笑顔で隠して胸に秘めていることに、一ミリだって気づけなかった。



