冷たい夜風が、俺の肌を刺激する。
心の奥底が、モヤモヤする。
シエルはオーロラのことを溺愛してるっぽいけど、実際どうなんだろう。
オーロラはシエルのことをどう想っているのだろう。
横目にシエルを凝視していたら、
「先程もそうやって、俺のことを見ていたな」
と、シエルが冷静な口ぶりで言った。
あ、目ぇそらしちまったやつだ。
「何か言いたいことがあるなら、男らしくはっきり言え」
シエルがあまりにも直球すぎて、俺はどうしたらいいかわからずに口を尖らせる。
いや、はっきり言えって言われてもさ、言えねぇよ。
お前もオーロラのことが好きなのか?、なんて。
「あー、えーっと」
「だからはっきり言え、はっきりと」
「オーロラが危ないって思った時には表情をコロコロ変えるのに、オーロラがいないと感情が読めねぇくらい無愛想だなこいつは、って思ってましたー」
俺が投げやりにそう言うと、シエルは「そうか」とだけ返事をした。
……嘘じゃない。本当にそう思ってた。
今だって、シエルの表情を見ても、怒ってるのか悲しんでるのか興味なさげなのか、これっぽっちもわかんねぇもん。
シエルの主であるオーロラには、シエルが今何を思っているのか、わかるのだろうか。



