「ウメおばあちゃん、辛いことをたくさん思い出させてごめんなさい。それから、話してくれてありがとうございます」
オーロラは現実の過酷さを知ってもなお、笑顔を見せた。
その笑顔はいつになく控えめで甘美で、とても大人びていた。
「皆が私を心配してくれてるのは嬉しいけど」
オーロラの潤んだ瞳が、俺とグリンとシエルを順々に撫でていく。
「本当に女王様がページを破った犯人でも、転生魔法を最後の手段として考えていても、私のこの国を救いたい気持ちは変わらないよ」
知ってるさ、そのくらい。
だから、俺達は転生魔法のことを聞かされても、オーロラに何も言わなかったんだろ?
結局さ、俺達はお前のやりたいようにやらせたいし。
お前のそばで、お前が本当の意味で幸せになる瞬間を見届けたいんだ。
ただ、それだけなんだ。
たとえ、オーロラが魔の手に捕らえられても、俺とオーロラを繋ぐ糸を手繰り寄せて、見つけてみせるよ。
俺とグリンとシエルは目を合わせてからオーロラへと視線を移して、言われなくてもオーロラの気持ちはわかってる、と伝えるようにニッと口角を上げた。
オーロラはそれに喜んで、けれど「ごめん」と言いたげに、眉尻を下げた。



