息苦しい静寂が漂う。
時間が止まったり戻ったりしないのは、当たり前のことだ。
だけど、もしも人生をやり直せるとしたら。
自分が望む世界になるまで、運命が自分通りに動かせるようになるまで、リスクを背負ってでも、転生魔法を使い続けたとしたら。
そう考えただけで、心臓がドクンッと鈍い音を立てて跳ねた。
誰だって、一度は思うはずだ。
やり直してみたい、と。
時間を戻してほしい、と。
それがいざ現実となったら、どうしようもないほど怖い。
「転生魔法に必要なのは、動いている心臓と、」
「心臓が要るなら、精霊のシエルに転生魔法は使えないねぇ」
「バカ言うな。精霊にだって心臓くらいある。ただ、実体がないだけだ」
ウメおばあちゃんの話を遮って、グリンとシエルが騒ぐ。
俺はそんな二人を静めようと、二人の頭をゴツンッと一発殴って。
ウメおばあちゃんに話を続けるように促した。
「もう一つ必要なものがあります。それは、記憶と能力を別の世界へと届けるための架け橋となる雷」
「あれ?そういえば、女王様の能力って……」
グリンが、何かを思い出したように俯いた。



