国は、機密文書に指定したほど禁断の魔法書を警戒した、ということだろうか。
「ですが、先代の国王が『王家には魔法に詳しくない者が多く、禁断の魔法書を王家が所持していても意味がないのでは』と考え、禁断の魔法書をもう一冊作り、王家と、魔法に詳しい魔法学校が共同で守ることになりました」
……そうか。
最初は、禁断の魔法書はこの世にたった一冊しかなかったんだ。
だから昔は、貴重な一冊目の禁断の魔法書を、魔法学校ではなくセイント城に保管していたのか。
やっと、ウメおばあちゃんの話を理解できた。
「そのため私が一度、一冊目の禁断の魔法書を預かり、それを手本に二冊目を作ったのです」
「その時に、最後のページが破られていることに気がつかなかったの~?」
「手本と言っても、脳には禁断の魔法書のデータが全て入っていて、せいぜい注意書きを写す程度だったので……」
「へぇー、記憶力がいいんだねぇ」
目の前にある一冊目の禁断の魔法書もそうだけど、二冊目も手書きで記していったってことか?
どうして、そんな面倒くさいことをしたんだろう。
魔法学校の教師だったなら、コピーする魔法だって使えるはず…………あ、そうか。
コピーする魔法は、支障が起こった場合に備えて、何かをコピーする前に必ず、機械のデータベースにインプットし、保存するのが原則だ。
禁断の魔法書のデータが機械に残るようなことがあれば、国家レベルの機密を誰かに見られてしまう危険性がある。
それを防ぐために、ウメおばあちゃんはわざわざ直筆で書いたってわけか。



