ハルシオンのページを持つ手が、震える。
あたしは、気づかれないように、そっと静かに禁断の魔法書を閉じた。
『そうだったの。これからは気をつけなさいね?』
『お怪我はございませんでしたか?』
『えぇ、大丈夫よ』
よかった、バレてない。
心の底から安堵して、フー、と短く息を吐いた。
『お母様達は、ここになんの用なの?』
『ある本を探しに来たの』
『ある本……?』
お母様と会話しながら、お母様とウメさんに手伝ってもらって、本を片付けていく。
ある本って、何?
嫌な予感がしたのは、気のせいではないのだろう。
『あ、これだわ』
本を拾っていたあたしの耳に、お母様の呟きが流れ込んできた。



