すると、図書室の扉が開いた。
反射的にハルシオンのページを背中に隠し、扉の方を振り向く。
『あら、イービル』
『勉強熱心ですね、イービル様は』
『お母様、ウメさん……』
図書室にやって来たのは、お母様とウメさんだった。
『それ、どうしたの!?』
散らばった本と赤色の本棚に入っていたはずの本が数冊ないことに気づいたお母様が、慌てた様子で叫ぶ。
ごくりと喉を鳴らしながら、思考回路を全力で回して、うまい言い訳を考える。
『あ、えっと、』
考えろ、考えろ。
お母様とウメさんに、一ミリも違和感を与えてはならない。
『と、隣の銀色の本棚の本を取ろうとしたら、赤色の本棚の本を間違って取っちゃって。そしたら、一気に本がバラバラーッて落ちてきたの』



