禁断の魔法書を見てしまったから?
ルールを破ってしまったから?
だから、殺気が生まれたの?
『……違う』
唇が、ボソボソと動いた。
ずっと、この感情はあたしの中で眠っていた。
ずっと、見て見ぬ振りをしてきた。
あたしは、曖昧にして、逃げていたんだ。
ハルシオンのページを持っている手に力を入れたせいで、ページが少しくしゃくしゃになってしまった。
全身を巡る血の温度が、上がっていった。
『あぁ、どうしよう』
あたしはきっとお父様の、お母様の、アンジェラスの心臓を止める行為を、いとも簡単にできてしまう。
それほどまでの怒りと憎しみと恨みが、とうの昔に募っているのだから。



