あたしは、ハルシオンのページを破り取った。
これはあくまで、最終手段としてとっておこう。
脳裏を過ぎる、五歳の誕生日の日の記憶。
記憶の残骸が、あたしを突き刺す。
目眩がして、こめかみを抑えた。
あの日、あたしは確かに思った。
アンジェラスを殺してしまえば。
あたしの夢が、叶う。
また、その考えが蘇ってくる。
あたしの中の何かが、「殺せ、殺せ」と囁いている。
殺してしまえ。
壊してしまえ。
自分の手で、自分の意思で。
良心を潰されて、代わりに殺意が埋め込まれる。
必死に抵抗しても、希望の在り処を探しても、溺れていく。
苦しさも悲しさも感じなくなるくらい。



