あたしは、覚悟なんて持たない。
ずっと、ルールや約束は守るために存在すると思っていた。
けれど、もしかしたら破るために存在するのかもしれない。
ルールは、守らない。
たとえ禁断の魔法だろうと、あたしが女王になれるのなら、何にでも手を伸ばす。
怖くても、ページをめくる手を止めたいと思ってしまっても、アンジェラスを追い越すまでは、恐怖にだって負けない。
夢を夢のままで、終わらせたくない。
禁断の魔法書に刻まれた呪文を目でなぞりながら、次のページへ。
炎の魔法、水の魔法、風の魔法、光の魔法……。
そして、悪の魔法。
『なに、これ』
たどり着いた最後のページ。
『ハルシオン……?』
それは禁断の魔法で唯一の、契約という儀式をしなければいけないものだった。



