今まで、赤色の本棚にある本は読んではいけないという規則を覚えていたから、近づきもしなかったけれど。
落ちてきたのなら、これが運命なのなら、あたしは逆らわずに受け入れる。
ためらう必要はない。
言い訳なんて、いくらでもできる。
あたしは緊張しながらも、禁断の魔法書にもう一度触れてみた。
やっぱり、冷たい。
どうして、そう感じるんだろう。
禁断という言葉に、怖がってる?
……まさか、ね。
震える指先で表紙をめくってすぐのページには、長々と注意書きが綴られていた。
一文字一文字、手書きで書かれている。
印刷されたものではない。
珍しいな、と思いつつ、あたしは注意書きを読み始めた。
『この本はタイトル通り、使用を禁じた魔法を書き記したものである。封印する、という意味も含んでおり、どんな緊急事態が起こっても、禁断の魔法を使ってはならない』



