一ヶ月に一度、新しく入荷された本がセイント城に届く。
つまり、読まなければいけない本が増えていくということ。
全てを読み終えることは不可能なのかもしれない。
あたしには、この調べる時間の他にも、割かなければいけない時間がある。
勉強、レッスン、パーティー、国の調査。
実際、図書室にこもれる時間は、たったの一時間程度だ。
それでも、あたしはその時間に賭けていた。
あたしの運命を、未来を。
――数年の時が過ぎた。
アンジェラスが、ジャックという名の貴族と結婚したのは、つい先日の話。
幸せ絶頂の妹の姿に、あたしは毎日偽りの笑みを浮かべていた。
時間は、有限だ。
一分一秒が、命取りになる。



