あたしを飲み込もうとする感情を抑えながら、あたしはお父様とアンジェラスに完璧な笑顔を向けた。
一礼してから、この場を離れて図書室へ移動する。
……気持ち悪い。
肌にまとわりつく、家族の浮かれた空気が。
アンジェラスの優劣さが。
あたしに疎外感を植え付ける、無神経な優しさが。
吐き気がするほど、気持ち悪い。
図書室に着いたら、そこはもう、あたしだけの空間。
誰も邪魔しに来ない。
不必要に感情が表れることもない。
嫌な気持ちで、惑わされることもない。
静かに、一つのことに没頭できる時間。
ここは、あたしの居場所。
あたしの存在を、受け入れてくれる場所。



