夜になり、家族限定の誕生日会が開かれた。
お父様とお母様とアンジェラスが、あたしを祝ってくれた。
『おめでとう』
皆にそう言われ、あたしはにこやかに微笑む。
けれど、その笑顔の仮面の下で、あたしは悲しさを堪えていた。
祝われても全然嬉しくなくて、胸が苦しくて。
女王になれない危機が、アンジェラスの五歳の誕生日までのタイムリミットが、だんだんと迫ってきていることに、臆していた。
『自分らしさを忘れずに、そしてさらに優しく誠実になってくれることを願ってるわ』
『……はい』
お母様の期待にいつもなら喜ぶのに、今日は圧迫感しか感じない。
それはきっと、その期待はあたしが女王になることへのものではなくなってしまったから。
信じていれば叶うだなんて、綺麗事を言うつもりはないけど。
自分のことを信じなければ、誰が信じてくれるというの?



