アンジェラスの歌の虜にされてから、ハッと我に返る。
新たな音が奏でられる度、ひどく心を打つ。
まるで、アンジェラスは歌の神様に愛されているかのようだ。
あぁ、もしかしたら
アンジェラスはいやしの歌の能力を……。
いや、違う。
それじゃあ、ダメなんだ。
これは、いやしの歌の能力が完全に受け継がれる前兆なんかじゃない。
そう、思い込まなければいけなかった。
あたしは、女王になることを譲る気はない。
あたしこそが、女王にふさわしいんだ。
アンジェラスの歌声からあたしの心へ、あたしに涙を流してほしくないという姉思いな気持ちが届けられた。
それほど、彼女の歌は素晴らしかった。
これ以上、劣等感でプライドを傷つけたくなくて、アンジェラスの歌を聴きたくなくて、耳を塞ぎたくなった。



