泣いてないと言っているのに、アンジェラスの心配そうな表情は変わらないまま。
……やめてよ。
その優しさが、あたしを虚しくさせる。
アンジェラスは、たったの二歳。
なのに、どうして。
五歳のあたしよりも遥かに、女王の資質を持っているの?
『ねぇ、聴いていて?』
『あ、んじぇ……らす』
あたしの頬に触れた、アンジェラスの小さな手。
その手のひらから、微弱な温もりを感じる。
心臓が、歪むように揺れた。
すぅ、と空気を吸い込んだアンジェラスは、この国に伝わってきた童謡を歌い始めた。
アンジェラスの伸びやかな歌声は、煌めきを支配する。
美しすぎるその歌に、あたしは聴き惚れてしまった。



