いざ歌うとなった時に、気づいてしまうなんて遅すぎる。 能力ひとつに振り回されて。 あたしの楽しみだった歌が、闇の中に奪われていくようだ。 『どうして、泣いてるの?』 『え?』 いつの間にか目の前まで寄ってきていたアンジェラスの言葉に、驚きの声が漏れる。 泣いてる? あたしが? 『泣いてないわ』 ただ、泣きそうなだけよ。 瞳が潤んだだけのこと。 まだ、泣いてない。 『イービル姉様、泣かないで?』