寝転がりながらお絵かきをしていたアンジェラスが、飽きたと言わんばかりに、ぐったりし始めた。
そんなアンジェラスを横目に、あたしは花の絵を完成させて、色鉛筆を置く。
『イービル姉様、お歌歌ってぇ』
アンジェラスのわがままに、あたしはしょうがないなあと目を伏せる。
何か歌ってあげようと思った矢先。
“いやしの歌の能力を持つ者が王としてこの国を治めよ”
不意に脳裏を過ぎった、王家の伝承。王になるための条件。
喉から出かけた声が、風化していく。
『……イービル姉様?』
あたしは、いやしの歌の能力を持っていない。
大好きだった歌は、あたしには意味のないもの。
あぁ、残酷な話だ。
どうしようもなく、泣きたくなるほど。



