アンジェラスは、感受性が強く、それでいて周りの動きに敏感だった。
だからこそ、あたしは怖いのだ。
アンジェラスに、いやしの歌の能力を授けられていたら。
背後から女王の立場に迫ってる妹に喰われる、そんな想像すらしてしまう。
『イービル姉様は何を描いてるの?』
『あ、あたしは、花よ』
『お花?』
アンジェラスの姉というプライドと女王になりたい夢は立派に持っているが、あたしにはアンジェラスのような才能も鋭感もない。
あたしは、無難で普通な人間。
それでも、ずっと足掻いてきた。
どれだけ周りに圧力をかけられ、同情され、身勝手な噂を流され、辛い思いをしても。
あたしは、夢を現実にしたいから。
『わあ、綺麗!イービル姉様、すごーい』
『ありがとう』
……だからあたしは、誰にも負けない。
たとえ相手が、優れた妹だとしても。



