『アンジェラスにいやしの歌が継承されていれば、アンジェラスが王になるわ』
『アンジェラスも受け継いでいなかったら、どうなるの?』
現実を受け止められないあたしは、思わずそう聞いていた。
『その場合は、長女であるあなたが王になるの』
期待していた答えが返ってきて、あたしは目を見開く。
『子供が全員いやしの歌の能力を持っていなかったら、また子どもを産むか、長女・長男に託すか、そういう決まりなの』
『で、でも、それじゃあ、そのままいやしの歌の能力者は生まれないんじゃないの?』
『いいえ、生まれるわ。夫婦のどちらかに王家の血が流れていれば』
……まだ、夢は、憧れは、終わっていない。
チャンスは、ある。
アンジェラスが、いやしの歌の能力を持っていなかったら。
そしたら、あたしが王の座に君臨するんだ。
いやしの歌がなくたって、あたしは女王になる。
きっと、そういう運命なんだ。
だから、誰にも邪魔させない。



