思い出す、私にぶつかった女の子の真っ青な顔。


女王様に、怯えて震える姿。


この町を取り巻く、不穏な空気。



私は、この国の現状を知ってしまった。


残酷な過去を、聞いてしまった。



だから――。



私は、勢いよく立ち上がった。


そんな私に、皆の視線が集まる。




「私、この国を救いたい!」




……ううん、救ってみせる。


きっと、私はそう決意するために、決意を現実にするために、旅をしてきたんだ。


そんな、気がする。



狂いも歪みも修正して、壊れてしまったものを組み直して、苦しみを取り除いて。


間違いだらけのこの世界を、新しく生まれ変わらせよう。