数歩後ろにいるラジとシエルとグリンも、子ども達と同じように、呆けている。
子ども達は、キョロキョロとお互いに顔を見合わせてから、「う、うん」と不器用にこくんと頷いた。
そっか。皆、歌好きなんだね。よかった。
「じゃあ、お姉ちゃんが歌を歌っちゃおうかなあ」
ニッと笑って、いい人アピール。
夕焼けの光によって伸びた影を気にせず、大きく口を開けて、湿気のない空気を肺に送る。
できるだけ、子ども達の心に棲む恐怖という名の悪魔を、退治できるように。
この町の不安も闇も悲しみも全て、幸福を引き寄せる笑顔に変わるように。
たった一瞬の歌のパワーが、町に轟き渡るように。
私は、歌を紡ごう。
「♪~~世界で一番好きだから 流れ星に祈らなくても~~♪」
“幸せのかたち”は、人それぞれだけど。
歪でも、小さくても、目に見えなくても。
この歌を聴いた人の胸に、ちゃんと届いていたらいいな。
その幸せが、永遠に胸に在り続けられることを願って、また歌を奏でよう。



