町全体がこんな風になっていることを、女王様は知らないの?
……いや、そんなはずはない。
セイント城とフロンティア・シティとの距離が遠いからって、こんなにも多勢の人達が貧しい生活をしていることくらい、定期的に国の情勢を調べる義務のある王家が、知らないはずはない。
それならば、どうして女王様はこの町をそのままにして、放っておいているの?
私だけでなく、皆も、この町の異常さに顔を歪めていた。
たった一人、グリンを除いて。
「きゃははっ」
「待ってよー!」
この町に来て初めて、明るい声を聞いた。
声のした前方を見ると、無邪気な子ども達が追いかけっこをして遊んでいた。
可愛いな、と和やかに眺めていたら。
一人の女の子が、後ろを見ながらこちらに走ってきて、私とぶつかってしまった。
「わっ」
「大丈夫?」



