歌い終えると、少年の傷は完全に治っていた。
そのことに、ホッと胸を撫で下ろす。
「治ってよかった。……あれ?どうしたの?」
顔を強ばらせて俯いている少年を不思議に思って、顔を覗き込みながら声をかける。
もしかして、私の歌が下手くそで、聴いていてすっごく不愉快だったとか!?
そうだったらどうしよう!
これでも一応、お母さんに「歌、上手だね」って褒められたことあるんだけど。
内心、おろおろしている私に、
「どうもしてないよ~。君の能力ってすごいなあって圧倒されてただけ!傷を治してくれてありがとっ」
ハッとしたように顔を上げた少年が、明るくそう言った。
なんだ、そうだったんだ。
それなら、いいんだけど……。
どうしてだろう。
彼の笑顔を見ると、心がざわめくのは。



