肩をすぼめて下を向く私の耳に、グリンの小さな笑い声が聞こえて、顔を上げる。
「ははっ、オーロラの言う通り、今は汚くなければいいんだけどね~」
後ろ頭に両腕を回したグリンは、相変わらず、だらんとした締まりのない声で言う。
グリンにあげたヘアピンが、鈍く煌めく。
何かを隠すように笑うグリンに、胸がズキリと痛んだ。
雲が浮かぶ空が、綺麗なオレンジ色に染まっていった頃。
フロンティア・シティの面影がはっきりと、見えてきた。
やっと目的地を視界に捉えることができて、嬉しくなった私は駆け出す。
「走って転ぶなよ」
私の背中に、シエルが忠告する。
子どもじゃないんだから転ばないよ、と頬を膨らませながら言おうとした直後。
大きな石につまづいてしまった。
顔面から地面に直撃しそうになって、どうにか踏ん張ろうと思ったが、自分の足に引っかかり絡まって、踏ん張る作戦は見事に失敗。



