オーロラの歌




グリンは目を見開いて、黙り込む。


しん、と静まり返った周りの空気に、私はぱちくりと瞬きをしてから、ハッと理解する。


わ、私はいきなり何を言っちゃってるんだ!



「あ、えっと、偉そうに言ってごめん」



本当は、そういうことじゃなくて、もっと、こう……他のことが言いたかった。



グリンの冷たい瞳も、見せかけだけの薄っぺらい笑顔も、私を拒絶しているように感じて。


グリンが汚いと思っているのは、町のことじゃなくて、自分のことなんじゃないかと思ってしまって。


グリンが私との間に壁を隔てようとしているのならば、それを壊して、グリンと近づいて。


私は君を大切に思っているよって、だから君の全てを教えてって、言いたかった。



だけど、できなかった。言えなかった。


私はグリンのことを知りたいけど、グリンがどこまで私に心を許しているのか、どこまで踏み込んでいいのか、把握していないから。



……ううん、違う。


大切だとか、全てを教えてだとか。


そういう私の気持ちを伝えたら、グリンが傷ついてしまうと思ったんだ。


なぜかは、わからないけれど。