二人とも、シエルが精霊だということは察していたが、森の番人であることは知らなかったようで、興味津々な様子。


私はそんな二人をよそに、階段の下を見下ろしてみる。



視界に映ったのは、エストレア・シティともアストラル・グラウンドとも違う景色。


乾いた大地の奥に、同じ高さの同じ建物がずらりと並んでいる列がいくつもある、お世辞にも栄えているとは言えない町。


そんなフロンティア・シティに、私達は行くんだ。



私の能力でラジとグリンが負っていた傷を治してから、私は元気よく踏み出した。



「皆、行こう!」



長居は無用だ。


警備隊が、いつやって来るかもわからない。


さあ、旅を続けよう。



階段を下りだした私のあとを追って、ラジとグリンとシエルも階段を駆け下りていく。



うるさいほど賑わうアストラル・グラウンドを出て、長い長い階段の向こう側を目指して進む。


次の目的地は、目と鼻の先。



グリンの故郷、フロンティア・シティへ。