少年は、私の行動に驚いていた。
「な、にして……」
「大丈夫だよ」
痛い思いは、今だけだから。
私を殺そうとした人だけど、私はどんな人でもどんな傷でも、見過ごせない。
どうか、この傷が治りますように。
そんな願いを込めて、私は口を開いた。
大きく息を吸って、光を散りばめるように、歌おう。
「♪~~物語はハッピーエンド 君の笑顔が見たいんだ~~♪」
みるみるうちに、少年の傷が治っていく。
いやしの歌の効力は、絶大だ。
「……これが、いやしの歌、か」
少年の戸惑いと困惑ともどかしさを含んだ小さな声は、私の歌声にすぐにかき消されてしまったせいで、誰も拾うことができなかった。



