驚きを隠せない私に、いつもは無愛想なシエルがふわりと微笑む。
久し振りに会えて嬉しくて、瞳が潤んだ。
防御するための、盾となる壁を作るロック・クレイも。
研ぎ澄まされた、矛となる剣を作るアルディ・ソードも。
木々や地などの自然のものを操る、森の番人にしか使えない魔法だ。
シエルの手には、先程の魔法で作られた、コンクリートの剣が。
指を鳴らして壁を消した後、シエルは剣を振りかざし、警備隊との距離を素早く詰めて、慣れた手つきでいとも簡単に、警備隊を倒してしまった。
一瞬の出来事に、私は息を呑む。
す、すごい。
さすが、シエルだ。
「し、シエル、この人達殺しちゃったの?」
「安心しろ。峰打ちだ」
剣を、地面のコンクリートに戻したシエルは、私の手を掴んだ。
えっ、な、何!?
「行くぞ」
シエルは一言そう言うと、私の返事を待たずに、行き先がわかっているかのように走り出した。



