オーロラの歌




どうしよう。


逃げなくちゃ。


でも、足が鉛のように重くて、動かせない。



「改めて、自己紹介するよ」



焦る私の耳に、ラジの透き通った声が届いた。


え……?


この状況で、自己紹介?


ラジは、何を考えてるの?



「俺の名前は、ラジ」



私の心臓がナイフが貫く数秒前、ラジがいとも簡単にナイフをパシッと掴んだ。


ニッと笑みをこぼしたラジは、自己紹介を続ける。


この空間に漂っていた緊迫感が、跡形もなく消え失せた。




「魔法使いで、得意な魔法は光の魔法」