オーロラの歌




カバンから取り出したある物……ヘアピンで、グリンの長い前髪を右に流して、留めてあげた。


うん、すごく似合ってる。



私の髪色と同じ、エメラルドグリーンのヘアピン。


それは幼い頃に、お母さんに手伝ってもらいながら、自分で作ったものだ。



「これ、くれるの?」



グリンの間延びしていない喋り方に新鮮味を感じながら、大きく頷いてみせる。


私から、グリンへのプレゼント。


受け取ってくれるよね?


グリンは照れくさそうにしながら、指先でヘアピンを触っていた。




「グリンのこと、今までよりももっと、近くに感じる」




ハイトーンブロンドの前髪を留めたら、グリンの顔がよく見える。


その猫目も、そのスッとした鼻も、その牙のある口も、そのイナズマのタトゥーも。


はっきりと、見えるよ。



グリンは、どう?


私のことを、近くに感じてる?


私が、よく見えてる?