聞きたい疑問が、声にならない。
それは、きっと、ゼロさんが儚げに微笑むせい。
「これは、お返ししておきますね」
ゼロさんが私に投げ渡したのは、クリーム色の袋。
「それが、昨日の質問の答えです。はぐらかしてすみませんでした」
中を見てみると、そこには約五万テラスが入っていた。
『本当に、一億テラス集まったんですか?』
確かに私は、そう聞いた。
やっぱり、集まっていなかったんだ。
一億テラス集まった、と皆を洗脳していたんだ。
「ゼロさん、あなたは……」
何者、なんですか?
そう聞こうとした私の唇に、ゼロさんの人差し指が添えられた。



