「どうか、信じてください」



どうして、ラジばかりを疑うのかはわからない。


けど、もしもその理由が、ラジを苦しめているのだとしたら。


私は、ラジを捕えている、闇色に染まった鎖を断ち切りたい。


信じられることで、ラジと街の住人達の境界が雲散されるのならば、私はその手助けをしよう。



「……しょ、しょうがないのう」



ため息混じりにそう言った町長に続くように、周りの住人達が頷き始めた。


皆、わかってくれたんだ。


嬉しさが胸を躍らせたのも、つかの間。



「ラジさんの無罪が証明できても、条件を満たしたことにはなりません」



ゼロさんの、光を突き放す言い方に、穏やかな雰囲気が壊される。



『もし、探せ出せなかったら?』


『その時は、彼女に死んでもらいましょう』