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「あのっ、これ結月くんに渡してください!」

顔を真っ赤にして、今日も私は結月のラブレターを受け取ってしまった。

いつもなら結月に対して怒りしか湧かないのに、志穂への気持ちを知ってから私は複雑な日々を送っていた。


そもそもあいつがラブレターに興味なかったり、彼女を作らないのは志穂のことが好きだったからなんだ。

志穂の連絡先は知らないだろうし、私を挟んでじゃないと接点がないけど。小さい頃から志穂が好きだったとしたら片思い歴長すぎだよ。


「今日、葉月の好きな卵焼き作ってきたよ」

今日は中庭で志穂とお弁当を食べていた。


志穂の私好みの甘い卵焼きを食べながら、料理もうまいなんて志穂は本当に欠点なしだなぁと思いつつ。

気づけば私は志穂にあることを聞いていた。


「ね、ねえ……結月のこと……どう思う?」

「んー?どうって?」

「いや、その、ほら!この前久しぶりに結月と話してどうだったのかなって思って!うん、はは」


志穂に結月の気持ちがバレたら私は殺される。確実に。

だけど知ってしまった以上ずっとムズムズしていて。基本的に私って嘘がつけない性格だし隠しごとも苦手だし。